オフィスで仕事をする男性

採用や取引先選定において、トラブルを未然に防ぐための調査が、「バックグラウンドチェック」(身元調査)です。

欧米ではすでに一般化しており、日本でもコンプライアンス重視の流れの中で導入が進んでいます。

しかし一方で、「どこまで調べていいのか」「探偵に依頼すれば何が分かるのか」が曖昧なまま運用されている場面も少なくありません。

この記事では、法人が行えるバックグラウンドチェックの範囲と、探偵が合法的に調査できる内容をわかりやすくまとめます。

採用リスク・取引リスクを回避しつつ、法令遵守のラインを守るための実務的なポイントを解説します。

企業が実施するバックグラウンドチェックとは?

高層ビル

バックグラウンドチェックとは、採用候補者や取引候補の信用度を確認するための調査のことです。

採用候補者に対して行うものという認識が一般的ですが、実際には企業活動の広範囲で活用されており、取引先や役員候補、M&A対象企業における表に出ないリスクを可視化するうえで、大きな効果を発揮します。

バックグラウンドチェックは、主に以下の目的で行われます。

  • 経歴詐称の防止
  • 反社会的勢力との関係遮断
  • コンプライアンスリスクの回避
  • 金銭トラブル・ハラスメントリスクの予防
  • 機密情報流出リスクの防止
  • M&Aの相手企業の信用調査
  • 新規取引先のリスクチェック
  • 海外企業との契約前のデューデリジェンス
  • 役員候補の素行・交友関係の確認

特に近年は、情報漏えいや職場トラブル、横領などの事件を背景に、バックグラウンドチェックのニーズが強まっています。

ただし、個人情報保護法・労働法制・差別禁止規定などに抵触しないよう、調査範囲を明確にしておくことが重要です。

法人が自社でできるバックグラウンドチェックの範囲

 

仕事をする女性

企業自身が行う調査は、基本的に候補者が提出した情報の検証公開情報の確認に限定されます。

大きく分けると、次の4つです。

(1)本人提出書類の確認

  • 履歴書・職務経歴書
  • 資格証明書、卒業証明書
  • 身分証明書

応募者の同意が前提ですが、これらの照合は問題ありません。

(2)前職への在籍確認(在籍事実のみ)

企業ができるのは、以下の確認だけです。

  • 在籍していたか
  • 在籍期間

評価・給与・退職理由などを聞き出す行為は、守秘義務に抵触します。

(3)公開情報のチェック

  • SNSの公開アカウントの閲覧
  • 商業登記や官報での破産履歴(※破産は官報掲載後、誰でも閲覧可能)
  • 企業信用情報データベース(法人の場合)

個人のSNSに過剰に踏み込む行為はリスクが高いため、公開情報に限定しましょう。

(4)反社チェック

  • 反社会的勢力データベース
  • 行政機関の排除条例関連資料
  • 企業コンプライアンス会社のリスクデータベース

反社チェック自体は、企業の義務ともいえるため、調査しても問題ありません。

企業が「やってはいけない」バックグラウンドチェック

チェックシート

日本では、個人情報保護差別禁止の観点から、以下の調査は原則禁止・または極めて慎重な扱いが必要です。

  • 本籍地の調査
  • 家族構成・親族の職業
  • 生活保護・病歴・宗教・思想
  • 戸籍の取得依頼
  • GPSによる行動監視
  • 私生活への過剰な踏み込み
  • 採用候補者の「信用情報(クレジット情報)」の取得

こうした調査は人権侵害、プライバシー侵害に当たる可能性が高く、企業単独では行えませんし、探偵に依頼しても違法です。

探偵が行えるバックグラウンドチェックはどこまで?

人材と素行調査

探偵が行うバックグラウンドチェックは、探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)に基づき、合法の範囲内で実施されます。

企業が自社で行う調査では把握しきれない情報を、専門性を活かして深掘りできる点が最大の強みです。

(1)公開情報を用いた信用調査

探偵は、企業が調べられる公開情報に加えて、情報の精度を高めるための技術と経験を備えています。

  • 官報・商業登記・裁判記録の高度な収集
  • 聞き込みによる人物評価の補強
  • SNS調査の体系的な分析
  • ネット炎上歴・誹謗中傷歴のチェック

表面的な検索ではなく、役員履歴や清算・倒産・破産情報、法的トラブルの履歴などを体系的に整理し、人物のリスクを可視化することが可能です。

特に聞き込み調査は企業が直接実施するのは難しいため、探偵に依頼する大きな理由のひとつとなるでしょう。

(2)勤務実態や素行調査(合法範囲のみ)

探偵が行う素行調査は、明確な業務目的と依頼に基づき行われ、ストーカー禁止法やプライバシー侵害に抵触しない範囲に限定されます。

  • 生活リズムや行動パターンの確認
  • 勤務態度・仕事ぶり・交友関係の調査
  • トラブル歴に関するヒアリング
  • SNS裏アカウントの特定(公開情報解析によるものに限る)

上記の調査により、遅刻常習や交友関係、コンプライアンス意識、素行や懲戒処分といったリスク要因を明らかにできます。

不正アクセスなど違法な手段は用いず、安全に情報収集が可能です。

(3)企業の反社チェックの代行

反社会的勢力との接点は、企業の存続に関わる深刻なリスクです。

探偵は合法の範囲で、以下のような詳細な反社チェックを行うことができます。

  • 暴力団関係者との接点
  • 過去のトラブル歴・訴訟歴の洗い出し
  • 職歴・経歴の裏取り

複数のデータを統合し、信用性・法的リスク・社会的リスクを包括的に評価したリスクスコアを作成することも可能です。

探偵でも「できない」調査(違法になる調査)

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探偵だからといって、何でも調べられるわけではありません。

以下は、違法行為であり、探偵であっても調査することは不可能です。

  • 銀行口座残高の取得
  • クレジット情報の取得
  • 戸籍謄本の不正取得
  • 住民票の不正取得
  • 同意のないスマホ・PCのデータ解析
  • GPS端末の無断装着
  • 偽装した聞き込みによる情報詐取

とりわけ、経済的信用情報(借金・滞納・与信情報)は、本人同意があっても外部が取得することはできません

バックグラウンドチェックを探偵に依頼するメリット

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バックグラウンドチェックを探偵に依頼することで、より確実で詳細な情報を短期間で集めることが可能です。

企業が困難な範囲の調査が可能

企業の人事や総務は、履歴書・職務経歴・公開情報といった表面の情報しか扱えず、くわしい聞き取りや、地域に根ざした情報収集は困難です。

しかし、調査の専門家である探偵に依頼することで、対象者の詳細な情報をスピーディーに集めることが可能です。

  • 在籍事実、役職名の照合、業務内容の確認による経歴の裏取り
  • 元同僚、取引先、近隣事業者への聞き込みによる事実確認
  • 公開の行動記録、出勤パターンの観察など法令順守内の行動パターンの把握
  • 官報、裁判記録、商業登記などの突合など公的記録の横断検索

たとえば、「表向きは優秀だが短期離職を繰り返している候補者」がいる場合、探偵のバックグラウンドチェックによって、離職理由の裏付け、顧客対応・金銭トラブル歴の早期発見などが可能となります。

調査の合法性が担保される

探偵の調査は、「探偵業届出」や探偵業法に基づく業務プロセスで、違法手段を行わない設計がなされています。

「どの情報が同意を要するか」「第三者照会でどこまで尋ねられるか」を理解しているため、企業が独自に調べるより法的リスクが低いが特徴です。

もちろん、調査に入る前に、調査方法の事前説明や契約書で、探偵から明確な手順を確認することが可能になります。

探偵が作成する調査報告書は、法的証拠性が高く、内部説明用に整理されているため、企業としても安全に活用できます。

採用トラブルの早期発見

探偵にバックグラウンドチェックを依頼すれば、以下のような見抜きづらいリスクを事前に把握できます。

トラブル 詳細

経歴詐称

  • 書類と第三者証言の不一致(在籍期間・担当業務・役職名など)
  • 発行元への照会による、証明書類の偽装疑い

トラブルメーカー

元同僚や取引先からのヒアリングで指摘される短期離職の頻度、ハラスメント疑いの言及

※複数の独立した情報源によから、同様のネガティブ情報が出る場合は信ぴょう性が高い

情報漏えいの危険人物

前職での情報管理に関する問題や、機密保持契約違反の有無(公的記録や関係者証言の有無で裏付け)

反社との接点

暴力団関係者の名前や接触履歴が、公的資料や地域情報で確認される場合は、重大リスクと判断できる

金銭トラブルによる不正リスク

借入や滞納が直接取得できなくても、取引先や地域の評判、裁判記録(債権債務の公的手続き)などから、間接的にリスクを推定できる

特に、マネージャーや責任者といった重要ポジションでの採用トラブルは、時間的・金銭的な損失が大きいため、探偵のバックグラウンドチェックによるリスクの早期発見は費用対効果が高いと言えます。

安全で効果的なバックグラウンドチェックをお考えの方へ

盤石な企業体制

企業が自社で実施できる調査は、公開情報の確認と応募者本人から提供された情報の検証に限られます。

採用・取引の初期段階としては有効ですが、企業活動のリスクを十分にカバーするには物足りない点も多いでしょう。

特に、社会的責任が大きい採用や取引においては、水面下のトラブルや交友関係、評価など、表面化していないリスクへの対処が重要となります。

探偵は合法の範囲内で、素行調査、聞き込み、評判調査、反社チェック、公開情報データの深掘りといったバックグラウンドチェックを実施することが可能です。

バックグラウンドチェックは、企業の信用と安全を守るための、重要なリスクマネジメントになります。

「経営に関わる重要ポジションの信頼性を担保したい」「コンプライアンス違反による信用失墜を防ぎたい」といったお悩みを持つ経営者や人事の方は、信頼できる探偵事務所へバックグラウンドチェックを依頼することも検討してください。

当探偵事務所では、企業の調査目的・業界特性・リスクレベルに応じて、最適な調査プランをご案内いたします。

当探偵事務所の無料相談窓口より、お気軽にお問い合わせください。

執筆/監修者:山内 和也

2025年12月18日

探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。