
賃貸物件を探しているときに、相場とはかけ離れた家賃で契約できる物件が見つかることがあります。
家賃が低いのはありがたいことですが、もしかするとその物件は「賃貸事故物件」かもしれません。
しかし、賃貸物件を探している人のなかには、事故物件について詳しく知らなかったり、どのように見極めればいいのか分からなかったりすることもあるでしょう。
そこで本記事では、賃貸事故物件の概要や住むリスク、チェック方法などを解説します。
また、事故物件かどうかを知るために、探偵の調査を利用するメリットや注意点、探偵事務所の選び方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
賃貸事故物件とは?基本的な定義と知っておくべき法律知識
賃貸事故物件と聞いて、どのような物件なのか正しく理解できる人は、それほど多くありません。
まずは、賃貸事故物件と実態と、それがどのように消費者に告知されるのかを詳しく解説します。
事故物件の一般的な定義と国のガイドライン
賃貸事故物件とは、過去に人の死や事件、重大なトラブルが発生した賃貸物件のことです。
対象となるのは自殺や殺人、孤独死のほか、火災や重大事故、反社会的勢力の関与などがあった物件になります。
国土交通省では、賃貸の告知に関する考え方を示すガイドラインを公表しており、消費者が契約を判断するために必要な情報を提供するよう定めています。
ただし、告知期間はトラブルが発生してからの期間や事情によって変動するため、消費者が常に事故物件かどうかを確実に判断できるとは限りません。
事故物件かどうかは「心理的に居住の支障になり得るか」という観点が核となるため、地域性や借主の受け止め方が影響する可能性もあります。
結果として、不動産会社の説明だけでは、安心と断言しにくい状況が生じがちです。
そのため、事故物件だった場合の日時や出来事の種類、修繕履歴、消臭や原状回復の方法まで、不動産業者に対して具体的に確認する必要があるでしょう。
心理的瑕疵物件と物理的瑕疵物件の違い
不動産において、取引対象の建物に欠陥や不具合がある、あるべき性能や品質が備わっていない状態のことを「瑕疵(かし)」といいます。
瑕疵には心理的、物理的のほか、法律的、環境的の4種類がありますが、一般的に事故物件というと心理的瑕疵物件を思い浮かべる方が多いでしょう。
心理的瑕疵物件は、過去の死亡や事件、反社会的勢力の関与などが理由で、住まう人が心理的に抵抗を覚える状態のことです。
心理的瑕疵は目に見えないため、説明の範囲や評価が曖昧になりやすい点が特徴です。
よく似た言葉で混同しやすいのが物理的瑕疵物件です。
物理的瑕疵物件とは、雨漏りや構造の欠陥、配管不良、火災や浸水の痕跡など、建物自体の不具合がある物件のことになります。賃料が相場より低い場合は、どちらか瑕疵が影響している可能性が高いため、必ずチェックしなければなりません。
なお、心理的瑕疵物件における心理的要因は近隣の記憶に残るため、住民の声や管理人の証言は大きな判断材料となります。
宅建業法による告知義務とその限界
2021年10月、国土交通省によって「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」が発表されています。
それまで、取引対象となる不動産物件によって発生した人の死亡事例に対して、適切な調査を行う必要も、告知に関する明確な基準もありませんでした。
しかし、不動産におけるスムーズかつ安心できる取引を保証できないという課題があったため、このようなガイドラインが制定されました。
告知が必要になるのは、以下の事案が発生した場合です。
- 他殺
- 自殺
- 事故死(不慮の事故ではない)
- その他の原因による不明な死
- 自然死や不慮の事故が発生して特殊清掃が実施された場合
ただし、賃貸物件の場合、上記の事案が発生してから3年が経過したあとは、告知は不要になります。
なお、賃貸物件で発生した自然死や、転倒・誤嚥などによる不慮の死、隣接した住居もしくは通常は使わない共有部分で発生した死亡事案では、特殊清掃を行わない限り、告知義務はありません。
そのため、賃貸物件で過去にさかのぼって死亡事例があったかどうか、完璧に把握するのは難しいのが現状です。
物件について詳しく知り、事故物件をどうしても避けたい場合は、必要に応じて第三者による調査が必要になるでしょう。
告知義務違反があった場合の入居者の対応方法
入居後に事故物件である事実を知り、宅地建物取引業者の告知義務違反があったと判明した場合は、証拠の収集が必要です。
賃貸借契約書や重要事項説明書、やり取りのメール、現地の状況写真や消臭履歴などを一つずつ整理します。
同時に、近隣の証言や過去報道の有無の確認など、第三者調査で事実関係を補強すると交渉が有利に進む可能性があります。
次に不動産会社へ内容を時系列で伝え、是正や契約関係の見直しを正式に求めましょう。
事情によっては手付け金の返還や違約金なしの解約、賃料減額、慰謝料請求へとつながることも。
業者の対応が悪質で法的手段を視野に入れる場合は、早めに弁護士へ相談して不利益を抑えるよう行動する必要もあるでしょう。
なぜ賃貸事故物件は発生するのか?その背景と実態
賃貸事故物件の概要や告知義務について解説してきましたが、そもそもどうして事故物件が発生するのでしょうか。
ここでは、賃貸事故物件が発生する要因について紹介します。
事故物件となる住民の死亡理由はさまざまです。
また、死亡事案でなくても、瑕疵によって家賃が低く設定されるケースもあります。
詳しく見ていきましょう。
自殺や孤独死による事故物件
賃貸物件が事故物件となる代表的な原因が、自殺や孤独死です。
発見が遅れる孤独死は室内に異臭や汚染が残りやすいため、次の入居者が心理的に敬遠する大きな要因となります。
また、発見までに日数を要し、汚損や害虫発生のため原状回復に高額な費用がかかる場合があります。
自殺の場合は事件性がないと判断されることが多いため、結果として告知の範囲が曖昧になるケースがあり、注意が必要です。
自殺や孤独死が要因の事故物件の場合、報道や管理会社の記録に残る場合は情報を得やすいですが、古い事例は記録が散り散りになっていたり、関係者が亡くなっていたりすることもあります。
このような事故物件を避けるためには、告知内容の確認のほか、入居前に消臭や補修の有無、清掃履歴を確認することが大切です。
不安が残ると感じたら、探偵による聞き込みや公的記録の裏取りを依頼して事実を確かめるのも有効でしょう。
殺人・事件性のある死亡事例による事故物件
殺人や重大事件が関係する、心理的な影響が強い事故物件となります。
事件性が明らかになると報道や記録が残りやすいため、長期間にわたって入居希望者が減少することがあります。
加えて、現場検証の痕跡や補修跡が消えないケースでは、物件価値が下がるのが一般的です。
さらに、管理会社や貸主が適切に告知しなかった場合、告知義務違反として法的問題に発展する可能性も否めません。
家賃相場よりも明らかに乖離しているなど、異常を察知した場合は、事件の有無や詳細、警察記録、裁判記録などを確認することをおすすめします。
「自分が安心して暮らせるか」を最優先に、感覚だけで賃貸契約を契約しないようにしましょう。
火災・水害など自然災害による事故物件
火災跡や水害履歴がある物件は、物理的瑕疵となり、建物や構造の劣化、カビ・腐食のリスクが残るため、注意しなければなりません。
一見して修繕されているようでも、内部構造や配管、断熱材にダメージが残る場合があり、健康被害や光熱費増加といった長期的なコスト要因になり得ます。
また、家主が適切に補修を行わなかった場合、契約上のトラブルに発展するリスクもあります。
公的な被災記録や修繕履歴を確認することで、どの程度の被害があったか、復旧が行われたかを確認する必要があるでしょう。
過去の住人のトラブルや近隣問題によるリスク
過去に住人同士のトラブルや反社会的勢力の関与があった場合、物件や周辺の安全性が損なわれ、物件の価値が下がり、家賃が安く設定されるケースがあります。
騒音や器物破損、嫌がらせといった事象は物件の居住性を下げ、長期的なストレス源になり得ます。
また、近隣問題は地域の評判に波及しやすいため、新しい入居者が敬遠する要因となるでしょう。
こうした情報は管理会社が把握しているとは限らず、公開情報では見えにくいのが実情です。
近隣住民への聞き込みを行ったり、管理記録や過去のトラブル履歴を確認して、リスクを推測する必要があるでしょう。
入居判断では、単に立地や家賃だけでなくコミュニティの健全性も考慮に入れることが重要です。
事故物件がもたらす心理的・経済的影響
心理的瑕疵による事故物件や、物理的瑕疵がある賃貸物件は、家賃こそ安いものの、契約・居住する場合に大きなリスクを伴います。
どのような影響が考えられるのか、詳しく解説します。
家賃が安い理由に心理的リスクが潜んでいる可能性
事故物件は、家賃が地域相場より安いため、一見して魅力的に見えるものです。
しかし、居住した場合には大きな心理的リスクが伴う恐れがあります。
家賃の安さの理由が過去の事故や事件である場合、入居後に精神的な負担を抱く可能性が高くなります。
経済的なメリットのみで物件を契約した場合、生活満足度が低下して早期退去につながるケースも。
また、友人や来訪者に物件の事情を説明することに抵抗を感じる人も多く、社会的なストレスが負担となるでしょう。
安心して暮らせる物件で契約したいのであれば、家賃の差額だけで損得を判断せず、心理的負担の有無を見極めることが重要です。
近隣住民との関係性や噂の影響
過去の事故が近隣で話題になっている場合、住民の間で噂が長く残ることが多いです。
噂や偏見が広がると、日常生活での視線や会話に敏感になりやすく、居心地が悪く感じられるかもしれません。
特に、近所付き合いが重要な地域では、このような心理的な負担が普段の生活に深刻な影響を与えます。
噂の真偽は住民の記憶や外部の記録で検証できますから、状況によっては情報の整理が必要になるケースもあるでしょう。
管理会社や大家と相談して不安を共有できれば、精神的な負担を軽くできる場合もあります。
入居前に近隣の雰囲気を自分の目で確かめ、心配ならば専門家に裏取りを依頼することも検討しましょう。
安定した日常を望むなら、コミュニティとの相性も物件選びの重要な要素になります。
健康被害や生活の質低下の可能性
事故物件は心理的な影響だけでなく、物理的に健康へ悪影響を及ぼす場合があります。
例えば、孤立死や火災の跡が十分に処理されていないと、カビや害虫、悪臭が残ることがあります。
アレルギーや呼吸器系の不調などを引き起こす原因となりうるため、用心しなければいけません。
また、生活の質が落ちると睡眠不足やストレスが増え、日常生活全体への負担が増大することも考えられます。
そのため、復旧や消臭が適切に行われたかの確認は、物件に住み続ける上でとても重要です。
健康と安全を優先して判断することが、快適な住まい選びには欠かせません。
賃貸契約前にできる事故物件チェック方法
賃貸物件を契約する際、誰もが事故物件を避けたいものです。
そこで、契約前にできる事故物件のチェック方法について解説します。
具体的な方法は次の通りです。
- 不動産会社にポイントを押さえて確認する
- 事故物件サイトを活用する
- 周辺住民や管理人に直接リサーチする
- 公的記録や新聞記事から調べる
それぞれ詳しく解説します。
不動産会社にポイントを押さえて確認する
賃貸物件を契約する前に、不動産会社にいくつか確認しましょう。
確認すべき項目は次の通りです。
- 過去の入居者の死亡や事件の有無
- 死亡事案が発生している場合は、その発生日時
- 死亡事案発生後の修繕が行われている場合は、補修や消臭の実施内容、業者名や実施日
死亡事案や修繕の具体的な日時や発生状況がわかれば、告知義務が適切に果たされているかを判断できます。
なお、不動産会社が説明を嫌がる場合は、その理由を明確にすることが重要です。
また、近隣の様子や治安に関する情報も聞き出して、総合的な住環境を把握しましょう。
答えがあいまいな場合は書面での回答を求め、後日のトラブルを防ぐ証拠にしておくと安心です。
それでも不安が残るなら、他の物件を探したり、第三者視点の確認を検討したりする必要があるでしょう。
丁寧な確認が納得できる契約につながり、後悔を防ぐ手段になります。
事故物件サイトを活用する
インターネット上の事故物件データベースを活用すれば、事故物件に関する有力な情報を入手できます。
ただし投稿ベースの情報には誤報や噂が含まれる恐れがあるため、掲載されている情報をすべて鵜呑みにしない姿勢が必要です。
見つけた情報は日付や出典を確認し、公式記録や管理会社の回答と照らし合わせてください。
また、事故物件サイトであっても、すべての事故物件を把握しているとは限りません。
検索してヒットしないケースでも、過去に死亡事案が存在する場合がある点には注意しましょう。
オンライン調査を一次情報として活用し、裏取りするため専門業者に依頼するのがおすすめです。
まずは手軽に検索して疑問点を洗い出し、さらなる調査につなげるといいでしょう。
周辺住民や管理人に直接リサーチする
近隣住民や管理人は過去の出来事を生々しく覚えていることが多いため、有益な情報源になります。
ただ個人で聞き込みを行う場合、誤解や軋轢を生むリスクが伴うため、慎重に対応しなければなりません。
内見時に自然な会話で、地域の雰囲気や過去の出来事について探ると違和感を察知できるほか、管理人に清掃や補修の履歴、異変の頻度について具体的に尋ねると実態が見えてくるでしょう。
なお、直接聞けない場合は、探偵に依頼して聞き込みで情報を収集してもらうのが安全です。
地域の本当の姿を知ることは、安心して暮らせるかどうかを判断するうえで重要です。
疑問があるときは無理に納得せず、確実な情報を得る方法を優先してください。
公的記録や新聞記事から調べる
警察の事故記録や裁判記録、地方紙の新聞記事などは信頼性の高い情報源になります。
過去に報道された事件は新聞記事で確認できる場合が多く、事実関係の裏取りに有効です。
図書館やオンラインアーカイブ、法務局の情報などを活用して関連記録を洗い出しましょう。
公的記録が見つかれば、噂と事実を区別でき、契約判断がしやすくなります。
契約前に確実な証拠を手にできれば、後のトラブルを回避しやすくなるでしょう。
探偵に依頼するメリットと調査の実態
ここまでは、賃貸事故物件かどうかをチェックする方法を紹介しましたが、すべてを自分一人で行うには限界があります。
そこでおすすめしたいのが、事故物件かどうかの調査を探偵に依頼する方法です。
ここでは、事故物件について探偵に調査を依頼するメリットについて解説します。
具体的なメリットは次の通りです。
- 探偵ならではの聞き込み調査の強みがある
- 近隣トラブルや噂の裏取り調査ができる
- 不動産会社では得られない生活情報の収集力が高い
- 調査結果をもとにした安心感と交渉力がある
それぞれ詳しく解説します。
探偵ならではの聞き込み調査の強みがある
探偵は地域の事情に通じた聞き込み技術を駆使して、表に出にくい情報を引き出すのが得意です。
個人が声をかけにくい住民にも信頼関係を築きながら話を聞き、話の真偽を見極めることに長けています。
聞き込みの結果は報告書としてまとめられ、契約交渉や安心材料に使える点は、利用者とって大きなメリットです。
また、探偵の調査により、自分では集めにくい情報を効率的に収集できるため、大幅な時間の節約にもつながります。
さらに、プライバシーや感情トラブルを避けつつ事実を確認できる点は、素人調査にはない強みです。
必要に応じて法的にも有効な証拠収集まで任せられるのは、大きな安心材料となるでしょう。
近隣トラブルや噂の裏取り調査ができる
噂や近隣トラブルは地域内で尾ひれがついて伝わることが多く、事実と異なるケースも多々あります。
探偵は噂の出所を特定するほか、実際に起こった事象かどうかを慎重に検証する作業を行います。
複数の関係者の証言や公的記録と照らすことで、真偽の評価が格段に高まるわけです。
噂のみに基づく判断は誤解を招きやすいため、探偵事務所に調査を依頼して裏取りすることで、安心して契約の判断ができます。
また、裏取りされた情報は整理されて報告書にまとめられるため、貸主や管理会社との交渉材料としても有効に活用できます。
探偵のプロの手によって曖昧な情報をクリアにし、冷静な選択につなげられるため、調査結果によっては契約自体を見直す判断を下せるでしょう。
感情ではなく、事実で判断することが、安全な住まい選びの鉄則です。
不動産会社では得られない生活情報の収集力が高い
不動産会社が提供する情報は取引に必要な範囲に限られることが多いため、生活面の詳細な情報が十分に得られないケースがあります。
例えば、深夜の騒音頻度や周辺の治安、ゴミ出しのルール違反の有無などは、現地ならではの情報であり、簡単に入手できるものではありません。
探偵事務所に調査を依頼すれば、住環境を総合的に評価したり、日常生活に密着した観点からリスクを洗い出せたりするようになります。
物件のスペックからは見えない「暮らしやすさ」が把握できるため、物件契約の後悔を減らせるでしょう。
また、生活情報は長期の満足度に直結するため、事前に把握しておく価値は高いといえます。
安心して暮らせるかは、物件だけでなく周囲の環境も影響するため、探偵事務所による網羅的な調査は有益となるでしょう。
調査結果をもとにした安心感と交渉力がある
探偵の調査報告書は、感覚的な不安を事実に基づく判断材料へと変える力を持っています。
事実が明確かつ整理されて記載されており、借主として大家や管理会社と冷静に交渉するための根拠になるためです。
例えば、消臭や補修の履歴が不十分なら、費用負担の見直しや契約解除の交渉が可能です。
精神的な安心感を得られるだけでなく、不利な条件を改善させる交渉力を高める効果があります。
また、調査報告書は法的な手続きにおいても有効な証拠となる場合があるため、リスク対策として安心です。
探偵費用はかかりますが、後の損失を回避する投資と考えれば費用対効果は高いといえるでしょう。
探偵に賃貸事故物件調査を依頼する流れと料金体系
探偵事務所に依頼すると決めても、その料金体系や依頼の流れがわからないということもあるでしょう。
そのため本章では、調査を依頼する流れと料金体系について詳しく解説します。
依頼前に準備しておくべき情報
探偵に賃貸事故物件の調査を依頼する前に、提供できる情報を整理しておきましょう。
具体的には次のような情報をまとめてください。
- 物件の住所
- 契約書の写し
- 気になる点を整理しておくことが重要です。
- 内見時の写真
- 管理会社とのやり取りの記録
- 希望する調査範囲
- 調査結果の利用目的(交渉、解約、安心確認)
- 準備できる予算
- 調査の優先順位
調査に必要な情報と、具体的な懸念事項をリスト化して整理しておけば、探偵は効率的に調査計画を立てられるためです。
また、内見時の写真や管理会社とのやり取りの記録などの情報があれば、探偵の調査の精度が向上します。
さらに、希望する調査範囲や結果の利用目的(交渉、解約、安心確認)を明確にしておき、依頼時に必ず伝えましょう。
費用や期間の目安が変わるため、予算と優先順位もあらかじめ決めておくのも重要です。
準備をしっかり整えておけば、依頼後の手続きがスムーズに進み、短期間で有用な報告を得られます。
事前準備は調査の成功率を高める重要なステップです。
丁寧に行いましょう。
調査の流れ(相談→契約→調査→報告)
探偵事務所に事故物件の調査を依頼する場合、まずは相談として物件や契約内容などの疑問点、希望する改善方法などを伝えます。
探偵事務所の多くは、相談に無料で対応してくれますので、いくつかの事務所で相談して料金や対応などを比較するのがおすすめです。
相談を受けた探偵事務所は、事故物件である可能性や調査の概算費用について説明します。
その後、調査内容と費用を明確にした見積りを作成してもらい、納得できれば契約となります。
契約成立後は聞き込みや公開記録の照会、現地確認など実務的な調査が実施されます。
調査期間は調査範囲によって異なりますが、数日から数週間程度となるのが一般的です。
調査完了後には調査報告書が制作・提供され、事実関係の整理と証拠の提示が行われます。
調査報告書は交渉資料として使える形式で提出されることが望ましいため、契約前に報告書のサンプルを確認しておきましょう。
なお、調査終了後に疑問点が残っている場合は、追加の確認調査の依頼も可能です。
探偵事務所の料金体系(時間制・パック制など)
探偵事務所の料金体系には、さまざまな種類がありますが、大まかに分類すると以下のようになります。
- 時間制料金プラン
- パック料金プラン
- 成功報酬型料金プラン
時間制料金プランとは、調査員の稼働時間によって料金が決まるもので、多くの探偵事務所で採用されています。
具体的には調査員の人数と稼働時間、1時間当たりの調査費用で算出されます。
調査時間を詳細に設定できるため、調査の状況に合わせて調整しやすいですが、調査が長引いた場合は、料金が高額になるデメリットがあります。
パック料金プランとは、あらかじめ決められた時間の調査費用がセットになったタイプのプランです。
1時間当たりの単価が安くなるケースが多いほか、事前に調査費用の総額を把握できるメリットがあります。
一方、事故物件の調査が早く完了した場合でも、設定金額を全額支払う必要があるため注意しましょう。
成功報酬型料金プランとは、調査が成功した場合のみ報酬が発生する料金プランです。
この料金形態を採用する探偵事務所は、着手金と成功報酬を設定しているケースが多いといえます。
調査を行ったものの、証拠が得られなかった場合は費用が発生しないため、余計な出費を抑えられる可能性があります。
一方で、着手金が高額になるケースが多いほか、成功の定義があいまいな場合があるというデメリットがあります。
そのため、何をもってして調査が成功になるのか、あらかじめ決めておく必要があります。
見積り時に確認すべき注意点
探偵事務所から見積りを受け取ったら、項目ごとの内訳と追加費用の発生条件を確認してください。
「成功報酬」や「追加調査料」の扱いが曖昧な場合、後から高額の料金を請求される恐れがあるためです。
また、調査期間やキャンセルポリシー、報告書の納品形式も事前に明確にしておきましょう。
依頼契約書に調査範囲と守秘義務、事後の対応について明記してもらえば、安心して調査を任せられます。
不明瞭な点は口頭だけで済ませず、書面で残すことで後のトラブルを未然に防げるでしょう。
なお、疑問点が解消できない場合は、他社の見積りも取って比較検討することをおすすめします。
料金だけで判断せず、調査手法や実績、担当者の説明責任を総合的に評価して、最終的には信頼できる説明と透明な料金体系を持つ探偵を選ぶことが大切です。
賃貸事故物件調査を依頼する際の注意点と失敗しない探偵選び
事故物件の調査を依頼する探偵事務所の選び方と注意点を紹介します。
具体的には、以下のポイントを意識してチェックしましょう。
- 探偵業法に基づく届出の有無を確認する
- 調査実績や口コミから探偵事務所を選ぶ
- 過剰な費用請求を防ぐため契約内容や金額をチェックする
- 信頼できる調査報告書を作成してくれるか確認する
それぞれ詳しく解説します。
探偵業法に基づく届出の有無を確認する
事故物件の調査を依頼する場合、探偵業法に基づく届け出をしているか確認しましょう。
探偵業を行うには公安委員会への届出が必要であるためです。
ホームページやパンフレット、資料などに届出番号が明記されているか、事務所所在地や代表者情報が公開されているかを確認しましょう。
届出の有無は業者の信頼性に直結するため、不明瞭な場合は依頼を避けるのが無難です。
また、探偵事務所が加入している業界団体や保険の有無も、万一のトラブルに備えるうえで重要な指標になります。
ただし、届出があることだけで安心しすぎないことも大切です。
疑問があれば公安委員会に直接問い合わせることで、業者の正当性を第三者視点で確認できます。
法令順守が確認できる探偵を選ぶことが、安心できる調査の第一歩です。
調査実績や口コミから探偵事務所を選ぶ
過去の調査実績や類似案件での成功例は、業者選びの重要な判断材料です。
ホームページをチェックしたり、実際に探偵事務所を訪問したりして、実績として具体的な事例が紹介されているか、提供できる報告書のサンプルがあるか確認しましょう。
また、問い合わせ時の対応の速さや説明の明確さも、業者の信頼性を示す重要なサインです。
さらに、経験豊富な担当者が在籍しているか、対応エリアや専門分野の整合性もチェックしましょう。
他にも、Web上の口コミや評判は参考になります。
ただし、口コミは匿名であることも多いため、口コミ内容の偏りには注意が必要です。
最終判断は費用だけでなく、安心して任せられるかどうかを基準にすることが大切です。
信頼できる探偵を選べば、調査結果の価値が高まるでしょう。
過剰な費用請求を防ぐため契約内容や金額をチェックする
契約前に費用の上限や、追加発生条件を明確にしておくことが過剰請求防止の基本です。
見積りに含まれない作業や交通費、資料取得費などの扱いについては、事前に必ず確認しておきましょう。
また、口頭だけの約束は後で齟齬を生むため、必ず書面で契約内容を残してください。
途中で調査範囲が広がる可能性がある場合は、その際の料金計算方法を明示してもらうと安心です。
さらに、返金規定やキャンセル料の条件も確認し、納得できなければ、捺印や署名は避けた方がいいでしょう。
不審な点があれば即断せず、他社と比較して透明な条件を出す業者を選ぶことが重要です。
信頼できる調査報告書を作成してくれるか確認する
事故物件の調査を依頼する探偵事務所は、信頼できる調査報告書を作成してくれる事務所から選んでください。
良質な調査報告書は事実を時系列で整理し、証拠となる写真や資料が添付されています。
証拠の出所が明確で、調査手法が記載されている報告書は後の交渉でも有効になります。
また、主観的な感想だけでなく客観的事実が中心にまとめられているか、報告書のフォーマットや説明が分かりやすいかも、探偵事務所を評価する材料となります。
最終的に信頼できる報告書は、あなたが納得して次の行動に移れる助けになります。
品質の高い報告書を作成する業者を選べば、調査の成果を最大限に活かせるでしょう。
安心して暮らせるよう賃貸事故物件を避けるための対策を
人が死亡している事故物件は、居住の際の心理的負担が大きいため、できるだけ避けなければなりません。
安心した暮らしを実現するためにも、今回紹介したチェック方法を使って、事故物件か否かを正しく判断したいところです。
ただし、事故物件の調査を個人が行うのは簡単ではありません。
そのような場合は、調査に強い探偵事務所に依頼するのがおすすめです。
私たち、名古屋東海ファミリー社では、事故物件調査に対応しています。
さまざまな視点から証拠を集め、新しい物件との契約で生まれる不安を解消することが可能です。
事故物件をどうしても避けたい場合は、名古屋東海ファミリー社にご相談ください。