「セキュリティソフトを入れているから情報が漏れることはない」と、安心していませんか。
実は、情報漏洩の原因の多くは、社員のミスや内部不正など、システムでは防げない人の行動にあります。
一度でも情報漏洩が発生すれば、最大1億円の罰金や信用の失墜など、企業の存続を揺るがす経営危機に発展しかねません。
この記事では、情報漏洩の3大原因から企業が今すぐ取るべき対策、不正の証拠をおさえる調査手法まで解説します。
会社を守るためのガイドブックとして、ぜひお役立てください。
目次
情報漏洩が発生する3大原因とセキュリティ上の弱点

情報漏洩が発生する原因は、大きく以下の3つに分類されます。
- 人為的ミス
- 外部からのサイバー攻撃
- 内部不正
適切な対策を講じるためには、情報漏洩の3大原因が自社のどの弱点を突いてくるのかを把握することが重要です。
また、独立行政法人情報処理推進機構が公表している「情報セキュリティ10大脅威」のデータでも、情報漏洩の原因は外部からの攻撃や内部不正、不注意など多岐にわたります。
ここでは、企業が警戒すべき3大原因について解説します。
※参考:情報セキュリティ10大脅威|IPA独立行政法人情報処理推進機構
人為的ミス(ヒューマンエラー)
情報漏洩の原因として頻繁に発生するのが、従業員の不注意による人為的ミス(ヒューマンエラー)です。
どれほど高価なセキュリティシステムを導入しても、それを扱う人間がミスをすれば情報は簡単に漏れてしまいます。
実際、日本ネットワークセキュリティ協会(NPO)の調査でも、漏洩原因として紛失・置き忘れが116件、誤操作が109件と上位を占めています。
人為的ミス(ヒューマンエラー)の事例としては、以下のようなケースがあげられます。
- メール送信時に宛先(BCCとCC)を間違え、顧客アドレスを一斉公開してしまう
- 個人情報が入ったUSBメモリや書類などを電車や飲食店に置き忘れる
- 機密書類をシュレッダーにかけずに廃棄してしまう
これらは、社員のセキュリティ意識の低さが要因で発生する情報漏洩です。
人為的ミスはシステムによる制限だけでは完全に防ぎ切れないため、企業として「人」のリスクとどのように向き合うかが問われます。
外部からのサイバー攻撃
次に多い情報漏洩の原因は、悪意ある第三者がシステムへ侵入する外部からのサイバー攻撃です。
社内のネットワークやPCがインターネットに接続されている以上、企業規模問わず常に攻撃の標的となるリスクがあります。
特に近年は手口が巧妙化しており、OSやソフトウェアの脆弱性(セキュリティ上の欠陥)を突かれるケースが後を絶ちません。
主な攻撃手法は以下のとおりです。
|
攻撃手法 |
概要 |
|
マルウェア(ウイルス) |
社内ネットワークに侵入し、データを外部へ送信させる |
|
ランサムウェア |
データを暗号化して使用不能にし、復旧と引き換えに身代金を要求する |
|
標的型攻撃メール |
取引先や公的機関を装ったメールを開かせ、ウイルスに感染させる |
これらの外部攻撃は、システムの更新忘れやセキュリティの隙を狙って仕掛けられます。
古いシステムを放置している企業は、情報漏洩の標的となるため対策が必要です。
従業員や退職者による内部不正
従業員や退職者による内部不正も、情報漏洩の原因です。
内部不正は、正当なアクセス権限を持つ人材が犯行におよぶため、外部からの攻撃を防ぐファイアウォールなどでは検知しにくく、企業にとって深刻な脅威と言えます。
従業員や退職者による内部不正は、処遇への不満や金銭目的(情報の売買)が動機である場合が多く、管理体制の甘い部分が狙われます。
内部不正は、以下の手口で実行されるケースが多い傾向です。
- 退職予定者が顧客リストや技術データをUSBメモリにコピーして持ち出す
- セキュリティログに残らないよう、PC画面を個人のスマホで撮影する
- 社内に人がいない深夜や休日にオフィスへ入り、重要書類を持ち帰る
従業員や退職者による内部不正は、「社員を信じる」という性善説にもとづいた管理だけでは防げません。
ともに働く従業員に対して、どのように不正を思いとどまらせるかが、企業にとっての課題となります。
情報漏洩が発生した場合のリスクと損害

情報漏洩は単なるシステムトラブルで片付けられる問題ではなく、企業の存続を揺るがす経営危機へと直結します。
日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)が公表している調査結果によると、個人情報漏洩による損害規模は以下のように算出されています。

※画像引用:2018年情報セキュリティインシデントに関する調査結果~個人情報漏えい編~(速報版)|日本ネットワークセキュリティ協会(NPO)
中小企業であっても、一度のミスが億単位の損失を招くことは珍しくありません。
ここでは、情報漏洩が発生した際に企業が直面する3つのリスクについて解説します。
社会的信用の失墜と顧客の喪失
情報漏洩が発生した場合、最も深刻かつ長期的なダメージとなるのが社会的信用の失墜です。
たった一度の情報漏洩でも、顧客や取引先からは「情報管理もできない企業」というレッテルを貼られ、多くの顧客を失うことになります。
特に現代では、SNSで悪評が瞬時に拡散されるため、謝罪会見を開いてもネガティブなイメージがネットに残り続けるデジタル・タトゥーのリスクも無視できません。
社会的信用の失墜は、以下の事態を招く可能性があります。
- 既存顧客が不安を感じて契約を解除し、競合他社へ流出する
- 新規の取引停止や、金融機関からの融資が受けられなくなる
- 採用活動において応募者が激減し、人材確保が困難になる
その影響で売上が激減し、事業の縮小に追い込まれる場合も少なくありません。
築き上げてきたブランドイメージは情報漏洩により一瞬で崩壊するため、信用リスクは金銭以上に重いと言えるでしょう。
多額の損害賠償請求や刑事罰の可能性
情報漏洩の発生により企業は、被害者への損害賠償や法律違反による刑事罰といった金銭的・法的な責任を負うリスクもあります。
個人情報保護法などの法令に違反した場合、企業には最大1億円以下の罰金を含む、重いペナルティが科せられます。
情報漏洩により企業が被ると想定される金銭的・法的リスクは、以下のとおりです。
- 刑事罰(法人処罰):国の改善命令に従わない場合など、企業に対して最大1億円以下の罰金が科せられる
- 損害賠償請求:被害者一人ひとりに対し、慰謝料や見舞金を支払う
- 役員への責任追及:経営陣がセキュリティ対策(善管注意義務)を怠っていたとして、株主から損害賠償を求められる
情報漏洩は会社の利益損失だけでなく、経営者個人の責任問題にも発展する可能性があります。
業務停止による機会損失
情報漏洩が発生すれば、対応に追われるため通常の業務ができなくなる機会損失のリスクもあります。
情報漏洩が発覚した際は、原因特定や被害拡大防止のために、社内サーバーやWebサイトを緊急停止させる必要があります。
安全が確認されるまでの間、数日から数週間にわたり業務がストップしてしまうのです。
情報漏洩により現場では、以下の事態が発生します。
- 通販サイトや予約システムを停止するため、その間の売上がゼロになる
- 全社員が顧客からのクレーム対応や謝罪などの後ろ向きな業務に忙殺される
- 原因究明のためのフォレンジック調査(デジタル鑑識)や弁護士費用などのコストが発生する
本来であれば利益を生みだしていたはずの時間は、情報漏洩によりすべて事後処理に費やすことになります。
目に見える賠償金だけでなく、稼げない時間の積み重ねも、企業の体力を奪う損害となるでしょう。
企業がすぐに実施すべき情報漏洩のセキュリティ対策

情報漏洩を防ぐためには、セキュリティソフトを入れるだけでは不十分です。
効果的な防御には、以下3つの側面から多層的な対策を講じる必要があります。
- 組織的対策(ルール):社内規定やポリシーの策定
- 技術的対策(システム):システムによる制限や自動更新
- 人的・物理的対策(環境):教育や入退室の管理
ここでは、企業が今すぐ取り組むべきセキュリティ対策について、これら3つの観点から解説します。
組織的対策|ルールの策定と周知
企業が取り組むべき一つ目の対策は、会社としての明確なルールや規定を策定することです。
どれほど社員が情報漏洩に注意を払っていても、明確な基準がなければ判断に迷い、結果として自己判断によるミスや不正を招いてしまう場合があります。
まずは、情報セキュリティに関する基本方針(セキュリティポリシー)を策定し、全社員に周知することが不可欠です。
策定にあたっては、自社の規模に合わせて以下の公的ガイドラインを参考にすると良いでしょう。
- OSやソフトウェアは常に最新の状態にする
- ウイルス対策ソフトを導入する
- パスワードを強化する
- 共有設定を見直す
- 脅威や攻撃の手口を知る
※参考:中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン|IPA独立行政法人情報処理推進機構
- サイバーセキュリティリスクの認識、組織全体での対応方針の策定
- サイバーセキュリティリスク管理体制の構築
- サイバーセキュリティ対策のための資源(予算、人材等)確保
- サイバーセキュリティリスクの把握とリスク対応に関する計画の策定
- サイバーセキュリティリスクに効果的に対応する仕組みの構築
- PDCA サイクルによるサイバーセキュリティ対策の継続的改善
- インシデント発生時の緊急対応体制の整備
- インシデントによる被害に備えた事業継続・復旧体制の整備
- ビジネスパートナーや委託先等を含めたサプライチェーン全体の状況把握及び対策
- サイバーセキュリティに関する情報の収集、共有及び開示の促進
※引用:サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer 3.0|経済産業省
これらの基準をもとに重要データの持ち出し禁止や、私物端末の業務利用(BYOD)の禁止などを就業規則に盛り込み、違反時の罰則規定も設けることで、組織全体の抑止力を高められます。
技術的対策|OS・ソフトの更新とアクセス権限の管理
二つ目の対策は、OSやソフトの管理でシステムの穴をふさぐことです。
サイバー攻撃の多くは、OS(Windowsなど)やソフトウェアの更新忘れによる脆弱性を狙ってきます。
そのため、以下の対策をシステム的に強制、または自動化する仕組み作りが重要です。
- OS・ソフトの更新:Windows Updateなどを自動更新設定にし、常に最新のセキュリティパッチを適用する
- ウイルス対策ソフトの導入:全端末に導入し、定義ファイルを常に最新に保つ
また、内部不正や被害拡大を防ぐには、アクセス権限の管理が有効です。
中小企業では「便利だから」と、共有サーバーの全フォルダを全社員に公開している場合がありますが非常に危険です。
誰でもすべて見られる状態だと、万が一社員の端末がランサムウェアに感染した際、その社員がアクセスできる全社のデータまで暗号化され、破壊されてしまいます。
また、本来知る必要のない機密情報に従業員が触れることは、内部不正の動機にもつながります。
情報漏洩のリスクを最小限にするため、業務に必要なフォルダのみアクセス権を付与する最小権限の原則を徹底し、退職者のIDは即座に無効化する運用が必要です。
人的・物理的対策|社員教育の徹底と入退室管理
三つ目の対策は、人の意識改革や物理的な環境の保護を徹底することです。
前述のとおり、情報漏洩の最大の原因はヒューマンエラーです。
ヒューマンエラーを防ぐには、定期的な研修やeラーニングを実施し、社員のセキュリティリテラシーを底上げし続けるしかありません。
標的型攻撃メールの訓練などを実施し、実体験として危機感を持たせるのも有効です。
また、以下のとおり「物」としての情報漏洩を防ぐ物理的な対策も忘れてはなりません。
- 入退室管理:部外者がオフィスやサーバールームへ侵入できないよう、施錠管理や入館証のチェックを徹底する
- クリアデスク・クリアスクリーン:離席時は机の上に書類を放置せず、PC画面をロックする習慣をつけさせる
- 盗難防止:ノートPCや重要書類を保管するキャビネットにはワイヤーロックや鍵をかける
これらの対策を徹底し、従業員に不正の機会を与えない環境を作ることが、内部不正や紛失事故の防止につながります。
内部不正の証拠確保を探偵に依頼するメリット

ここまで、システムの構築やルール改善による情報漏洩の予防対策を解説してきましたが、悪意を持った人間による犯行は防ぎ切れません。
特に、従業員によるデータの持ち出しや盗聴などのアナログな手口は、セキュリティソフトのログには残らないため、特定が困難です。
こうした見えない不正の実態をつかむには、探偵による調査が有効です。
ここでは、企業が探偵に調査を依頼するメリットを解説します。
ログに残らない持ち出しの瞬間を捉えて証拠化できる
探偵に調査を依頼するメリットは、デジタル上の記録に残らない不正行為の証拠をおさえられる点です。
近年増えているのが、システムに侵入せず、自分のスマホでPC画面を直接撮影したり紙の重要書類をカバンに隠して持ち出したりする手口です。
これらの手口はITシステムでは検知できず、情報漏洩の発覚が遅れる要因となります。
探偵に依頼することで、以下の調査が可能になります。
退社後に競合他社の人間と密会している現場や、USBメモリ・書類などを受けわたしている瞬間を特定する
現場の状況や従業員同士の会話から「転職先への手土産」などの不正の予兆をつかむ
いつ情報を持ち出したのか、誰にわたしたのかという決定的な瞬間を記録できるため、言い逃れのできない証拠を確保できます。
社内に仕掛けられた盗聴器や盗撮器を発見・撤去できる
社内に仕掛けられた盗聴器や盗撮器を発見し、物理的な情報漏洩ルートを断てるのも、探偵に調査を依頼するメリットです。
「自社に限って盗聴などあり得ない」と考える経営者は多いですが、実はライバル企業のスパイだけでなく、人事評価に不満を持つ従業員や出入り業者が盗聴器・盗撮器を仕掛けるケースもあります。
盗聴器や盗撮器は市販の電源タップや置時計に偽装されていることが多く、素人による目視だけで見つけ出すのは困難です。
探偵に調査を依頼することで、以下の対応が可能になります。
- 専門機材による探索:広帯域受信機などの特殊機材を使用し微弱な電波を発する盗聴器を特定する
- 会話による漏洩の防止:役員室や会議室を調査し口頭で話される重要機密が外部へ筒抜けになるのを防ぐ
調査により盗聴器や盗撮器を発見・排除すれば、経営会議の内容が筒抜けになるリスクを排除でき、安心して業務に集中できる環境が整います。
損害賠償や法的措置に必要な証拠を収集できる
探偵に調査を依頼すれば、裁判や懲戒解雇の手続きにおいて有利になる法的に有効な証拠も収集できます。
単に怪しいという疑いだけでは、社員を解雇にしたり損害賠償を請求したりできません。
証拠不十分のまま情報漏洩の罪を追及すれば、逆に不当解雇や名誉毀損で訴え返されるリスクがあります。
探偵なら尾行や張り込みなどに加えて、以下の調査によって客観的な証拠を固められます。
- インターネットパトロール:インターネット上の掲示板やSNSを調査し、情報漏洩の事実確認や書き込みを行った従業員を特定する
- 調査報告書の作成:いつ・誰が・どのような不正を行ったかを時系列で詳細に記録し、裁判資料として提出できる状態にする
企業が被った被害を正当に回収するためには、第三者の調査による動かぬ証拠が不可欠です。
情報漏洩の証拠確保は当事務所へご相談ください

情報漏洩は、たった一度の発生で企業の信用を崩壊させる重大な経営リスクです。
本記事で解説したとおり、システムによる防御だけでは、従業員の内部不正やオフィスへの盗聴器設置などのアナログな手口を完全に防ぐのは難しいでしょう。
「競合他社に毎回僅差で競り負ける」「役員会議の決定事項が外部に知れ渡っている」などの違和感を覚えたら、被害が拡大する前に当事務所へご相談ください。
貴社の課題に合わせて、内部不正調査や盗聴器発見調査などをワンストップでご提供します。
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