「夫から触れられるのが苦痛」
「断って相手が不機嫌になるのが怖い」
本来、安心できる存在であるはずの家族や恋人に対して、違和感や苦痛を抱いている方もいるのではないでしょうか。
「家族や恋人という親しい間柄なのだから普通」
「夫婦や恋人なら、拒んではいけない」
と思い込み、一人で抱え込んでしまう方は少なくありません。
しかし、たとえ家族や恋人であっても、あなたの意思に反して性的な言動を強いることは「性的ハラスメント(セクハラ)」に当たります。
この記事では、家庭内や交際相手との間で起こりやすい性的ハラスメントの具体例を挙げながら、その定義や境界線をわかりやすく解説します。
また、問題を解決するための対処法や、相談窓口についてもお伝えします。
あなたが自分自身を大切にし、配偶者や恋人との健やかな関係を取り戻すための参考として、ぜひご一読ください。
目次
家族・恋人からの性的ハラスメントの概要

家庭や恋人は、本来であれば最も安心できる存在であるはずです。
しかし、その親密さを背景に、相手の尊厳を傷つける性的ハラスメントが潜んでいることは少なくありません。
「身内だから」「愛しているから」という言葉で正当化され、被害者が声を上げにくいのがこの問題の特徴です。
まず、家族や恋人との間で起こりうる性的ハラスメントの概要について、具体的に解説します。
性的ハラスメントの定義
そもそも、「ハラスメント」とは、発言や行動によって他者に不快感を与え、個人の尊厳や人格を不当に傷つける行為を意味します。
加害者によって被害者の就業環境や生活環境が害されれば、ハラスメントが成立します。
すなわち、叩く・殴るといった身体的な攻撃だけでなく、暴言や無視といった精神的ダメージを与える行為もハラスメントに含まれるのです。
また、ハラスメントが認められるために、加害合意の継続性や反復性は必要ありません。
たった一度だけの行為であっても、その内容が深刻なものであれば、十分にハラスメントと認められます。
「性的ハラスメント」とは、セクシャルハラスメントとも呼ばれ、相手の意に反する性的な言動を指します。
男女雇用機会均等法では、性的ハラスメントを「対価型」と「環境型」に分類しています。
「対価型セクシャルハラスメント」は、加害者が被害者に性的な要求や対応をし、被害者がこれを拒絶したりした場合、解雇、降格、減給などの不利益を与えるものです。例えば、上司からの性的な誘いを断ったら、配置転換や不当な人事評価を受けるケースがこれに該当します。
「環境型セクシャルハラスメント」は、加害者にわる性的な言動により、被害者の就業環境が不快なものとなり、職務に重大な影響が生じるものです。例えば、性的な冗談やからかい、わいせつ画像を見せる、不必要な身体接触、執拗な食事やデートの誘いなどが含まれます。
性的ハラスメントは、女性が被害者となるケースが多いですが、男性が被害者となる場合や、同性間でのセクハラも存在します。
また、LGBTQ+の方々に対する性的指向や、性自認に関する侮辱的な言動も、セクハラに該当します。
家族や恋人が加害者となる性的ハラスメントとは
家族や恋人が加害者となる性的ハラスメントは、一般的に「性的DV(性的暴力)」と呼ばれます。
職場などの公の場での性的ハラスメントとは異なり、逃げ場のない密室で行われることや、「愛情や信頼関係」を背景に行われることが特徴です。
そのため、被害が深刻化しやすく、被害者自身も「自分が悪いのではないか」「家族だから仕方ない」と被害を矮小化してしまうのが大きな特徴になります。
家族や恋人という、本来であれば「信頼・安全できる存在」から受ける性的ハラスメントは、被害者にとって非常に深刻な苦痛をもたらします。
性的ハラスメントになる境界線
家族や恋人の場合、「親密な関係なのだから許されるはず」という思い込みが境界線を曖昧にしがちですが、性的ハラスメントには明確なラインがあります。
性的ハラスメントになる境界線を判断する際、最も重要な基準は「被害者がどう感じたか(主観)」と「社会的に見て不当か(客観)」の2点です。
特に、被害者の性的同意がない、または「不快」や「屈辱」を感じている場合は、その行為は性的ハラスメントに該当します。
性的同意とは、被害者が明確に「嫌だ」と言わなかったからといって、同意したことにはなりません。
家族や恋人からの性的ハラスメントは、「相手が拒絶できない力関係」を利用している場合が多いからです。
「夫に逆らえば生活できない」
「家を追い出される」
「断ったら別れを切り出される」
「拒否すれば不機嫌になって暴言を吐かれる」
このように、相手の要求を断れば不利益がある、と感じさせる状況で性的な要求を強いることは、性的ハラスメントに該当します。
家族・恋人からの性的ハラスメントの問題点

では、家族や恋人からの性的ハラスメントは、実際にどのような問題があるのでしょうか。
家族や恋人が加害者となった場合の、性的ハラスメントの被害の実情についてまとめました。
拒否の意思表示が難しい
家族や恋人といった親密な関係においては、被害者に「相手を失いたくない」「相手から嫌われたくない」という心理が働くため、ハラスメントを拒絶しにくい状況が生まれます。
また、加害者に経済的・心理的に頼っている場合も、生活の基盤を失う不安から、ハラスメントを拒むことができない場合があります。
被害の認識が薄れやすい
家族や恋人という関係の下では、性的な強要が「愛の形」や「コミュニケーションの一環」とみなされ、ハラスメントの被害が認識されづらい傾向にあります。
また、家族や恋人からの性的ハラスメントは、外部の目が入らない密室で行われるため、事態が深刻になるまで周囲が気づけず、被害者本人も「これはハラスメントだ」と自覚するまでに時間がかかりやすいのです。
被害者の心身への長期的な悪影響
身近な相手からの被害で、かつ逃げ場のない場所でのハラスメントは、被害者の精神に非常に大きなダメージを与え、周囲にも相談しづらくなります。
また、仮に被害者が親族や友人に相談しても、「痴話喧嘩」「よくあること」と軽くあしらわれるという二次被害(セカンドレイプ)が起こりやすいとされています。
加えて、最も信頼すべき相手に裏切られるショックは、対人恐怖や重度のフラストレーション、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の原因となります。
このような心身へのダメージは、被害者が加害者と離れた後も、将来にわたって長期的に継続する場合もあります。
家族・恋人からの性的ハラスメントの具体例

家族や恋人からの性的ハラスメントは、日常生活の中で行われることが多く、「これくらい普通のこと」と軽視されやすいですが、実際にはハラスメントになる例も多くあります。
ハラスメントの境界線は、加害者が決めるものではなく、「被害者がどう感じたか」が重要になります。
加害者や周囲の人間から「普通のことだよ」と言われたとしてもあなたが現に苦痛を感じているなら、それはあなたにとってのハラスメント境界線を越えているといえます。
以下、家族や恋人からの性的ハラスメントの具体例をまとめました。
性行為を強要してくる
恋人や配偶者からの性行為の強要は、決して「夫婦やカップルの問題」で済まされることではなく、明確な性的ハラスメント(性的DV)です。
また、2023年の刑法改正により、たとえ夫婦や恋人同士であっても、同意のない性行為は「不同意性交等罪」という犯罪に該当することが明確化されました。
「パートナーだから性的な要求に応じる義務がある」という考え方は、現在の法律では明確に否定されています。
避妊をしてくれない
恋人や配偶者が避妊に協力しないことは、単なる価値観の違いではなく、「生殖的強制(リプロダクティブ・コアーション)」と呼ばれる性的ハラスメントや性的DV(暴力)とされます。
男性が避妊をしないことは、女性の被害者側にだけ圧倒的なリスク(望まない妊娠、中絶手術による体へのダメージ、性感染症のリスクなど)を背負わせる行為です。
このように、体の健康や人生の選択を尊重されないことは、重大な人権の侵害にあたります。
不妊であることを責める
配偶者から不妊であることを責められるのは、言葉の暴力とされます。
こういった行為は性的ハラスメントであり、精神的なDV(モラルハラスメント)にも該当します。
自分の望む形(妊娠・出産)を相手に強要し、それが叶わないことを攻撃の材料にするのは、相手の心身を支配する悪質な行為です。
不妊は誰のせいでもありません。
本来は夫婦で話し合うべき内容を相手だけのせいにして責めることは、明確な性的ハラスメントに当たります。
中絶の強要
恋人や配偶者から中絶を強要されることは、被害者の自己決定権を著しく侵害する行為であり、「生殖的強制(リプロダクティブ・コアーション)」という重大な暴力(DV)です。
中絶は女性の心と体に非常に大きな負担を強いるものです。
それを本人の意志に反して強制することは、決して許されることではありません。
中絶の強要にあたる言動とは、物理的な暴力だけでなく、精神的な追い込みも含まれます。
「産むなら別れる」
「養育費は一円も払わない」
「中絶しないなら今後の生活費を渡さない」
「産むなら家から追い出す」
「お前に育てられるわけがない」
「生まれた子供がかわいそうだ」
このような言葉による脅迫や、精神的な攻撃は、すべて中絶の強要に当たります。
相手の性的な画像や動画を撮影する
恋人や配偶者であっても、相手の許可なく性的な写真や動画を撮影することは、プライバシーの侵害であり、性的ハラスメントに該当します。
特に2023年に施行された「性的姿態撮影罪(撮影罪)」により、たとえ親密な関係であっても、同意なく相手の性的な姿態を撮影する行為は、法律で厳しく罰せられる対象となりました。
相手の性的な事実を周囲に公表する
恋人や配偶者が、あなたの性的な経験、嗜好、あるいは性生活に関する事実を、本人の同意なく周囲に言いふらす行為は、重大なプライバシーの侵害であり、性的ハラスメントに該当します。
たとえ話している内容が「事実」であったとしても、以下の法的責任を問われる可能性があります。
他人がいる場所で性的な事実を暴露し、あなたの社会的評価を下げた場合、刑法上の罪に問われる可能性があります。
性に関する情報は、最も秘匿されるべき個人情報です。これを勝手に公表する行為は、不法行為として慰謝料請求の対象になる場合があります。
家族・恋人からの性的ハラスメント解決策

家族や恋人が加害者である場合、生活的・心理的な結びつきから、職場などでのハラスメント以上に解決が難しい場合があります。
しかし、解決のゴールは必ずしも「すぐに別れる」ことだけではありません。
あなたの心と体の安全を最優先にした上で、いくつかのステップに分けた解決策をご紹介します。
物理的・心理的な距離を置く
まず最初に、可能であるなら「NO」の意思表示を明確に示しましょう。
ただし、加害者が逆上して暴力を振るう可能性がある場合は、無理に伝えず、まずは加害者から逃げることを優先してください。
一時的に実家に帰る、友人の家に泊まる、家の中でも鍵のかかる部屋にこもるなど、ハラスメントから物理的に離れる時間を作りましょう。
証拠を集める、記録に残す
問題の解決を有利に進めるため、以下のような性的ハラスメントの証拠を集めることは非常に重要です。
- 日記やメモ書きなどで、「いつ」「どこで」「誰に」「何をされ、何を言われたか」「どう感じたか」を細かく記録する
- 不当な性的要求をされたLINE、無断で撮られた性的な画像データ、SNSへの書き込みなどをスクリーンショットを保存する
- 性的な強要を受けている現場を録画・録音する
※ただし、法的知識がないまま、無理をして証拠収集にあたると、いつのまにか法に抵触する可能性があります。動画や録音といった証拠収集は、プロの探偵に依頼することをおすすめいたします。
専門家に相談し、支援を得る
専門的な知識を有する第三者に相談し、援助してもらう方法も有効です。
主に以下の3つの相談窓口が考えられます。
- DV相談窓口
- 弁護士
- 探偵事務所
それぞれくわしく解説していきます。
「#8891(性暴力被害)」や「0120-279-889(DV相談プラス)」に連絡すると、性的ハラスメントの相談に応じてくれます。
現状を問題を整理し、今後の対策を一緒に考えてくれるでしょう。
離婚や別離を視野に入れている場合、また性的な写真の削除を強制したい場合などは、法律のプロを介すのが最も効果的です。
悪質な性的ハラスメントは違法行為であるため、加害者に対して、被害者が被った精神的・身体的損害に対する賠償を求める民事訴訟を起こすことができます。
法的手続きを取る場合は、弁護士などの法律の専門家に相談することで、早期解決のための援助を得ることができます。
性的ハラスメントの証拠収集を、探偵に依頼することも有効です。
ハラスメントの証拠を確実に確保することで、その後の加害者とのやり取りや、法的手続きを有利に進めることが期待できます。
探偵であれば、法律やプライバシーに抵触することなく、ハラスメントの現場の証拠を押さえることが可能です。
また、プロによる技術を駆使し、加害者にばれることなく証拠収集することができるため、被害者の生活が脅かされる心配もありません。
性的ハラスメントでお悩みの方はご相談ください

性的ハラスメント被害で苦しんでいる方は、当探偵事務所へのご相談をお勧めします。
探偵は、日頃からさまざまなハラスメント被害の相談をお受けしており、被害の証拠を確保するという方法で、トラブル解決の後押しをしています。
ハラスメントの証拠収集を探偵に依頼することで、証拠収集の代行やサポートをすることができ、確実に被害を立証することが可能です。
性的ハラスメントは、どのような関係性であっても相手の尊厳を傷つける暴力です。
加害者が家族や恋人であることは、性的な行為を強要する行為を正当化する理由にはなりません。
あなたが心穏やかな生活を取り戻すため、当探偵事務所が必ずお力添えします。
性的ハラスメント被害でお悩みの方は、まずはご相談だけでも、お気軽にご連絡ください。
ご相談は、お問合せフォーム・電話・メール・LINEにて24時間お受けしています。










