悩んでいる人たち

親が亡くなった後は、悲しさや寂しさで心の整理ができないものです。

そのような状況の中、思いもよらない借金の存在が判明するケースがあります。

相続は財産だけではなく、借金も引き継ぐ可能性があるため、相続人同士で「誰が返済するのか」「どのくらい返済額があるのか」などトラブルになることも。

知識がないまま行動すると、後から手続き関係や金銭的に負担がかかる可能性があります。

本記事では、トラブルを回避するためのポイントをわかりやすく解説します。

親が亡くなった後に借金が見つかることは珍しくない

通帳を見て驚く女性

親が亡くなった後に借金が見つかることは珍しくありません。

本章では、借金と相続に関する基本的な仕組みについてお伝えします。

相続と債務とは

相続とは、亡くなった方の財産を相続人が引き継ぐことをいいます。

しかし、相続はプラス財産だけではありません。

亡くなった方に借金やローンがあった場合、その返済義務も相続人に引き継がれます。

その借金やローンなどの負債を債務(マイナス財産)といいます。

亡くなった後に借金が判明するケース

よくあるケースとして、以下のような事例があげられます。

  • 遺品整理中に消費者金融からの督促状が見つかった
    書類や郵便物の整理中に、消費者金融やクレジット会社からの未払い書類が見つかる場合があります。
  • 銀行から連帯保証人になっていると連絡がきて知った
    知人や家族の連帯保証人になっていた場合、銀行から連絡がくるケースもあります。
  • 実家のポストに未払い請求書が届いた
    光熱費や携帯料金など、月々の契約料金の未払い通知がポストに溜まっている場合も。
  • 車の名義変更の際に、ローンが残っていることを知った
    相続手続きの際に、ローンが残っている場合があります。
  • 友人からお金を借りていたらしく連絡が入った
    故人が個人的に借りていた場合、後から知らされることもあります。

このように、亡くなった後に借金が発覚するケースはさまざまです。

借金は相続人に引き継がれる?

亡くなった方に借金があった場合、原則として相続人に引き継がれます。

財産には、プラスのものとマイナスのものがあることを理解しておきましょう。

親に借金があるか調べる方法

チェックリストと現金と金の豚の貯金箱

被相続人の親に借金があるかどうか調べる方法は下記のとおりです。

  • 本人に直接聞いてみる
  • 郵便物・通帳・クレジットカードの明細を確認
  • 登記簿謄本の確認
  • 個人信用情報機関に開示請求をする

本章では、自分でできる親の借金を調べる方法をお伝えします。

本人に直接聞いてみる

最も簡単な方法は、親が生きているうちに直接聞くことです。

親子とはいえ、借金の有無を確認することは勇気がいるかもしれません。

しかし、亡くなった後に書類や郵便物を調べるよりも確実な方法になります。

事前に話し合いや確認をしておくことで、相続後の不安や負担を減らすことができるでしょう。

郵便物・通帳・クレジットカードの明細を確認

郵便物・通帳・クレジットカードの明細の確認は、借金の有無を調べる基本的な方法です。

これらの情報を確認することで、マイナス財産を把握することができます。

確認できるのは以下のようなものです。

確認物

確認できること

郵便物

督促状や催告状など未払いに関する情報

通帳

残高や返済状況

引き落としの履歴

ローンの支払い状況

クレジットカードの明細

借入やリボ払いの残高

登記簿謄本の確認

不動産の所有がある場合は、登記簿を確認しましょう。

登記簿謄本を確認することで、所有者情報や抵当権の有無が記載されており、借入やローンが設定されているかを把握することができます。

登記簿謄本は法務局で申請することができます。

個人信用情報機関に開示請求をする

個人信用情報機関に開示請求をすることで、借金の有無を確認することができます。

ただし、開示請求には本人確認が必要で、法定相続人のみが行える方法です。

CIC(株式会社シー・アイ・シー)

CICは、クレジットカードや消費者金融、個人ローンの利用履歴を管理している機関です。

過去5年分の利用履歴を確認できます。

開示請求には、相続人の本人確認書類、戸籍謄本または住民票が必要になります。

また、郵送でも開示が可能になります。

JICC(株式会社日本信用情報機構)

JICCは、消費者金融やカードローン、携帯の分割払いの状況を管理している機関です。

過去5年分の利用履歴や返済状況を確認できます。

開示請求には、相続人の本人確認書類、戸籍謄本または住民票が必要になります。

またCIC同様に、郵送でも開示が可能になります。

KSC(全国銀行個人信用情報センター)

KSCは、銀行カードローンや住宅ローンなどの銀行取引に関する情報を管理している機関です。

過去5〜10年程度のローンの利用履歴を確認できます。

開示請求には、相続人の本人確認書類、戸籍謄本または住民票が必要になります。

また、郵便でも開示が可能ですが、故人が取引していた金融機関経由で請求することになります。

相続人が選べる借金対応

仲のよさそうな夫婦

亡くなった方に借金があった場合、相続人には3つの選択肢があります。

選択肢は下記のとおりです。

  • 借金・財産すべてを相続する(単純承認)
  • 借金も財産も引き継がない(相続放棄)
  • プラス財産の範囲内で借金返済する(限定承認)

それぞれ、メリット・デメリットがあり、被相続人の財産の状況によって適切な対応をすることが大切です。

相続でリスクを負わないために、あらかじめ財産の状況を把握しておきましょう。

借金・財産すべてを相続する(単純承認)

単純承認とは、借金も財産もすべて相続人が引き継ぐことをいいます。

単純承認で財産を相続する場合、手続きは不要で、申請をしなければ自動的に適用されます。

マイナス財産よりもプラス財産の方が多い場合に取るべき相続方法です。

借金も財産も引き継がない(相続放棄)

相続放棄とは、借金だけではなくすべての財産を放棄することをいいます。

相続放棄する場合、家庭裁判所で「相続放棄の申述書」と必要書類を申請し、正式に認められる必要があります。

手続きには期限があり、原則、相続を知った日から3か月以内と定められています。

一度、放棄すると取り消せず、次の相続人に引き継がれます。

プラス財産よりもマイナス財産の方が多い場合にすべき相続方法です。

プラス財産の範囲内で借金返済する(限定承認)

限定承認とは、プラス財産の範囲内で借金を返済することをいいます。

財産を上回る借金を相続人が返済することはありません。

この相続方法を選択すれば、ご自身の財産からは借金を支払う必要がありません。

限定承認は、相続人全員で家庭裁判所への申立が必要です。

相続放棄同様、相続の期限は3か月以内です。

手続きは複雑ですが、被相続人の財産が不明確な場合に適しています。

相続する際の注意点

危機一髪

相続の手続きを進めていくうえで注意しておくポイントは、大きく分けて3つあります。

  • 勝手に財産を使うと相続したとみなされる
  • 相続放棄と限定承認には期限がある
  • 借金には利息がある

知らなかったがゆえに、後悔することがないよう、以下のポイントに気を付けましょう。

勝手に財産を使うと相続したとみなされる

亡くなった方の財産を無断で使用すると、法律上「相続した」とみなされる場合があります。

たとえ少額を使用したとしても、単純承認を選んだとみなされ、借金を含めたすべての財産を引き継ぐことになる可能性があります。

そのため、相続手続きが終わるまでは財産を使用することは避けましょう。

相続放棄と限定承認には期限がある

相続放棄と限定承認を選択する場合、相続を知った日から3か月以内に手続きを行う必要があります。

期限を過ぎると、自動的に単純承認とみなされ、借金などマイナスの財産を含んだ全ての財産を引き継ぐ義務が発生します。

そのため、できるだけ早めに手続きを行いましょう。

借金には利息がある

一般的に、借金には利息があるため、返済が遅れるとさらに高額になります。

相続をする際には、元本だけでなく利息も含めた金額を調べ、その上で借金対応を選択する必要があります。

探偵にできる相続に関するサポート

探偵に依頼するメリット

探偵事務所は、相続・借金問題とは無関係と思われがちですが、実はお役に立てる場面があります。

慣れない手続きでお困りの方に、専門的な知識を生かしてサポートいたします。

被相続人の行動確認をする

対象者の素行調査を行い、金融機関やギャンブルへの出入りがないかの確認をすることができます。

また、亡くなっている場合は、相続人の同意のもと通帳や明細などの書類を調べ、借金の有無を調べることが可能です。

必要に応じて弁護士の紹介もできる

手続きを進めるうえで、法的な手続きが必要な場面があります。

探偵事務所では、必要に応じて弁護士を紹介することが可能です。

探偵事務所と弁護士で連携をし、安全でスムーズに手続きを行うことができます。

調査後もアフターフォローがある

探偵事務所では、調査をするだけで終わることはありません。

調査結果をもとに、相続手続きや借金対応の選択までサポートいたします。

借金と相続に関するよくある質問

Q & A

Q1 探偵に依頼をしたら家族に知られてしまいますか?

A;探偵事務所は、いかなる調査も秘密厳守で行います。

そのため、調査内容が外部に漏れる心配はありません。

また、相談・報告の方法も対面またはオンラインでもでき、依頼者様のご希望に合わせることができます。

Q2 探偵に相談するタイミングはいつがいいですか?

A;探偵に相談する場合は、できるだけ早めに相談するのが安心です。

相続には期限があり、調査期間も必要なため、余裕をもってのご相談をおすすめします。

Q3 強引に契約を迫られますか?

いいえ。無理に契約を進めることはございません。

内容や金額を説明し、納得をされたうえで契約が成立します。

少しでも、不安なことがあれば遠慮なくご相談ください。

親の借金・相続トラブルは名古屋東海ファミリー探偵社にご相談を!

ご相談はこちらから

当探偵事務所では、相続や借金に関する調査の無料相談を行っております。

安心してご利用いただけるよう、専門スタッフが対応させていただきます。

経験豊富なスタッフが丁寧にヒアリングし、最適な調査方法や今後の対応についてアドバイスさせていただきます。

個人情報・相談内容は秘密厳守でご対応いたします。

安心してご利用ください。

故人の死後、相続問題からは避けられません。

事前に正しい知識を持つことで、トラブルを防ぐことができます。

これまでの情報を活用し納得のいく選択ができればと思います。

執筆/監修者:山内 和也

2025年10月24日

探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。